税理士へ税理援助従事を義務化へ

世の中には多くの場面で助けを必要とする人がいます。このことは決して他人事ではなく、いつ自分がその立場になる可能性があるとを、誰もが自覚するべきだと思います。

世界の中でも十分に近代化された日本社会ですが、当たり前に暮らすことが出来ていることが、実は微妙なバランスの上で成り立っていることに、あまり目を向けられることがありません。

こうしたことは、経済的な豊かさや、安全性や衛生面などの環境を整備したところで、完全に無くすことが出来ないものです。

またある意味では、豊かさがもたらす、意図しない権利の侵害や差別など、新たな助けを求めたい場面も生まれ、幸せな生活の維持が難しいと言えると思います。

税理士が担う税務については、その背景には人それぞれの所得が関係しています。資本主義においてはまさに千差万別で、納税の仕方にも個別の対応が求められます。

このことは政策にも反映されていて、より所得や生活環境に応じた課税上の平等性を保つことを狙いとして、様々な控除の仕組みや優遇措置などが講じられています。

しかし一方で、納税は自己責任であるという考え方から、基本的には自己申告の必要があります。ここに考え方のズレを感じることもあります。

自己申告が基本であることは、本来利用出来るはずの控除や優遇措置についても、自分で知って調べて申請しないと利用出来ません。

国民のためを思って、様々な制度を設けていても、決して利用しやすい環境にはないことが、弱者救済に十分につながっていないと思います。

ここで税務の専門家として助力に当たるのが税理士の仕事です。高い専門性を持つことや、公共性が高く、政策に近い仕事を担うために、専門業務とされています。

この与えられた役割りはとても重要です。税金に対する具体的な相談でさえ、税理士以外の者が行うと、税理法違反となる訳です。

税理士が十分にその務めを果たさないと、多くの相談者の需要を満たせないことになってしまいます。

税理士会としてはこの辺りの意識は高く、近年の税理士法改正に向けた要望書の中で、税理士の税務援助への従事を義務化することを求めています。

税理士が行っている税務支援を、納税の必要がありながら税理士の関与がない納税者に対する税務指導と、それよりも経済的弱者に対して行う税務援助に分けて考えられています。

これまでは税理士の税務援助への参加は、努力義務として要望されてきましたが、近年では「義務」とするべきとされるようになりました。

やはり税理士の責務として、より社会貢献するべきという考え方に基づくもので、税理士の特権を世の中の役に立つ形で使われることを求めています。

実践に当っては様々なハードルがあるとは思いますが、考え方としては歓迎出来ることですから、ぜひよい形で実現して欲しいと思います。